この記事を読んでいるあなたはきっと、銀行に入ったもののなにか焦燥感に駆られている方なのではないでしょうか。
僕自身もそうでした。
銀行に入ってからは常に焦燥感に駆られながら、でも何から始めていいのかわからない...。そんな気持ちに苛まれていました。
また、独立のために勉強しながらも、法人営業担当者であったので稟議や数字を追いかける毎日。銀行業務検定や簿記など、いろんな資格を取らなきゃいけないので、平日に時間もない。それが銀行員の実態です。
でも、大丈夫。
今回は、銀行員から独立?に成功した僕自身の経験談も踏まえて、銀行員が独立するための方法を解説します。
【注意喚起!】東京によくいる「起業しようよ集団」はだいたいクソ
独立を焦るあまり「変なビジネス集団」に捕まる可能性があることに留意してください。
五反田や上野あたりに蔓延る「何してるかわからない集団」。だいたいロクなことがないので注意してください。
僕が思うクソ起業集団の特徴は下記の通りです。
- 何かよくわからないけど人が集まっている
- 師匠と呼ばれる人物がひとりいて、部下はその手伝いをさせられる
- 集団でのセミナーを好む(そのうち高額「営業セミナー」に送客される)
- 「7つの習慣」「金持ち父さん貧乏父さん」などの本を好む
- 「友達づくり」という名のメンバー集めをさせられる
- なぜか実店舗にこだわる
- 夢ややりたいことなどのビジョンを追い続ける
もし起業を考えるあまり、上記のような集団に出くわしてしまったのならば、すぐに離れてください。
というのも、冷静に考えて儲かるビジネスを人に教える必要性なんてないからです。
人と人は有益性のみで繋がっています。すなわち無益な人間関係は、大人になるとともに減っていくのです。
多くの場合はあなたがカモか。あなたが集めてくる「お友達」が最終的にカモにされます。
いいですか、本当に有益なものとは「金を稼げる情報」なんです。
「何」で収益を上げているかを説明できない集団なんて信頼できませんし、銀行員としても稟議を通せるわけがありません。
おおよそ得る情報は無益そのものですし、彼らのビジネスモデルの一部にならないと稼げるようになりません。
生み出されるのは「独立」ではなく「依存」だということを正しく理解しておくとよいでしょう。
※彼らの教育方法は特殊です。なので、ハマっているうちは少しの違和感には目を瞑ってしまいがちです。しかし冷静に第三者目線で考えてみれば「おかしい」と気づけるはずです。悲しいかな、末端の人間はそれにも気づかず「師匠」なるものを信じ続け、集客を続けるのです。
銀行員からの独立方法は4パターンしかない
僕の知る限り、銀行員の独立方法は下記の4パターンしかありません。
- 出向後に経営者として出世する
- VCからの資金を集めスタートアップを立ち上げる
- 転職してから起業をする
- フリーランスとして独立する
「出向後に経営者として出世する」パターンはおそらく今回調べていただいたキーワード的に「なし」でしょう。それまで待てませんよね。
VCからの資金調達ができるのであれば、そもそも既に動き出しているはずでしょう。あなたが優秀な人であるならアリだと思います。しかしそうでなければ、多くの場合はうまくいかずに終わってしまいます。
...と考えると現実的なのは「転職→独立」パターンか、「フリーランス」パターンでしょう。
非凡な人でなくとも独立が可能なのは、上記の2つしかありません。
体験談:銀行員からの独立は可能
僕は銀行員からフリーランスへ転向。現在では別会社に転職しましたが、給与とは別に事業の売上が月に100万円程度あります。
僕の事業のひとつはコンテンツ制作とSEO対策。10人ほどのメンバーと一緒に中小企業の支援をさせていただいております。
だけど僕は、別に銀行員時代に「優秀」だったわけではありません。
むしろ、銀行員としての才能はほぼなく、できる同期を見て嫉妬する毎日。銀行員になってから優秀な人材が多いことに気付かされたわけ。
でもそんな僕だって、会社員を辞めて副業所得で100万円程度の売上を立てられているわけです。
独立って難しい...と考えている人、多いと思いますがそんなことはありません。
既に「銀行員」になった時点で、スペックは他の大勢よりも優秀なんです。
あとはやり方だけです。正しいやり方をもってすれば、独立は難しくありません。
銀行員からの独立に役立ったスキルセット
銀行員をやっていてよかったなと思うスキルセットは下記の3つです。
- 資金繰り管理能力
- 稟議を書く能力
- メンタルケア能力
資金繰り管理能力
銀行員の仕事をすれば、会社の決算書や資金繰り表と向き合う毎日でしょう。
すべてのクライアントが正しい事業計画を作成できているわけではありませんので、実態的な財務にBSを修正したり、PLを事業別ごとに正しく分割するといった作業はよく行いますよね。
この能力は独立をしてから非常に役立ちます。
個人事業主の場合は青色申告書。法人の場合は事業計画書の作成など、経理関係のやるべきことは多くあります。
もちろん、売上が大きくなり、利益が十分に出ていれば他のできる人に依頼すればよい業務です。しかし、事業が大きくなるまでは全て自分で管理する必要があります。
また、組織化にあたっては外注費が多く発生します。正しく売掛金のサイト、買掛金のサイトを理解しておかなければ、いわゆる黒字倒産のようなことも起きてしまいます。
個人事業主は法個一体ですから、黒字倒産はすなわち自己破産を意味します。
売上を短期で伸ばす上で、資金繰りを正しく理解できる能力は必要不可欠です。
稟議を書く能力
稟議ってめちゃくちゃ嫌ですよね。
営業としては貸したい。でも、与信側としては貸したくない。こんな相反するせめぎ合いが存在するのは銀行員くらいだと思ってます。
ぶっちゃけ「倒産したらどうしよう...」なんて思いながら、それでも稟議を通すために、必死にロジックを組み立てる。
あの能力は独立後に大きな力となります。
まさか「牙城を崩す」「〜と思料」なんて言葉がその後役に立つとは言いませんが、ロジカルシンキングをわかりやすく紙に落とす能力はその後「提案資料」や「マーケティング」部門でいきます。
わかりやすく順序立てて説明をすることができるフリーランスって非常に貴重な存在です。独立するためのスキルだと思い、一生懸命に稟議に向き合いましょう。
メンタルケア能力
銀行員は目標制度がなくなりました!なんて新聞が出たのは2020年頃だったでしょうか?
実際は目標制度は無くなっていませんよね。個人に数字を貼らない代わりに、結局はチームに数字が貼られます。
そして評価をされるのも、個人で数字ができる人間です。そのため、毎日営業次長に数字を詰められているという銀行員も多いことでしょう。
また、銀行ほど外部には見えない「パワハラ」が横行している業種もそう多くはないと思います。
プレッシャーと日々向き合い、それでも翌日には出勤する姿勢。このメンタルは独立をする上で役に立ちます。
独立後は毎日は生きるか死ぬかの状態になります。
「今持っているお客さんから切られてしまったらどうしよう...」
「キャッシュはこのままでもつのだろうか...」
「自分はこのまま燻ってしまうんじゃないのか...」
独立すると日々不安と戦う毎日です。
でも僕は銀行員時代よりも辛いなと思ったこと、ほぼありません。
ですから、鬱になったり、心が死んでしまったりなんてことはありませんでした。
心が壊れそうになったら「ロボットのように目の前に集中する姿勢」。実は、独立まもない頃には作業量がモノをいいます。
ですので、独立後も戦えるだけのメンタルは既に醸成されていると理解しておくとよいでしょう。
銀行員が独立するために今できる「はじめの1歩」
今、何から始めればいいのか。
特にスキルセットをもっていない方に僕がオススメするのは、下記の3つです。
- ライターを始めてみる
- プログラミングを勉強してみる
- 輸入系物販を始めてみる
このうち「ライターを始めてみる」は平凡な人間が少しだけ背伸びをできるコツなので、まだやることが決まっていない人はまずはライターから、始めてみてください。
ライターを始めてみる
僕は銀行員から、突然フリーランスになりました。その時も、今でも後悔してはいませんが、振り返ってみるとかなり大胆な挑戦をしたなと思っています。
でも、文章をロクに書いたことがないくらい人でもできるくらい「ライター」という仕事は簡単で、でも非常に難しい職業なのです。
ライターとは、今ご覧いただいているような媒体で記事を書く仕事のこと。
雑誌や新聞など、紙媒体のライティングと比較して「webライティング」と呼ぶこともある職業です。
一般に文字単価「1文字○円」という計算方式になり、初心者であれば文字単価は1円ほど。上級者になると文字単価は5円を上回ることもあります。
この記事が大体文字数が5,000字ほどですから、記事の単価としては5,000円〜25,000円程度ということになります。
ライティングについての詳細は下記の記事で説明しているのでご覧ください。
関連記事:銀行員の独立・副業に「ライティング」をおすすめする理由
プログラミングを勉強してみる
システム開発などで一旗上げようと思っている人は、プログラミング教室に通ってみるのもよいでしょう。
プログラミングを独学で始めないワケは「効率」の問題です。
ゼロから自分で学習を始めるのはなかなか大変です。そもそも、何の言語から学べばいいのか?など、わからないことだらけでしょう。
そんなとき「〇〇を形にしたいのだけどどうすればいい?」と聞いてみると無料で教えてくれるところがあります。
それがプログラミング教室です。
入会する気はまだなくても、自分にとって必要な言語が何かを知っておくのは得策です。
ちなみに僕は銀行員時代に1年間かけて「ruby on rails」というプログラミング言語を勉強しました。
無料面談で自分に合ったプログラミング言語は何かを聞けるので、ぜひ活用してみるとよいですよ。
参考記事:【噂に騙されないで】テックキャンプ(旧テックエキスパート)は本当にひどいの?
輸入系物販を始めてみる
最近アツイなと思っているのが中国輸入のOEMです。
中国から商品を輸入し、自社ブランドとして販売するOEMは、他の転売などの物販とは違い奥が深いのが特徴です。
- どの商品で勝負するのか
- 訴求はどうするのか
- 他の商品との差分をどうだすか
- 販売するプラットフォームはどうするか
上記はほぼ「マーケティング」の仕事であり、下流から上流までの流れを実務経験として蓄積できます。
場合によっては転職も検討しよう
中小企業診断士などの資格をもっている場合を除き、銀行業で学んだことをそのまま独立に活かすのは難しいのが現状です。
もしあなたに起業したい分野が既にある場合には、はやめに転職をすることをオススメします。
詰まるところ、多くの方は「銀行員」のステータスと安定感に魅力を感じ就職しています。実際、ミーハーだからとりあえずメガバンクを受けてみよう...という動きは残念ながら多く見受けられるのです。
銀行員は素晴らしい仕事だと思います。
ですが、もしすでに違うやりたいことがあるのなら、若く体力のある大切な期間を別のことに使った方がいいと僕は感じています。
ちなみに、僕はフリーランスへ転向しましたが、元々は転職希望で下記のような会社から内定をいただいてました。
- SESの会社(エンジニア採用)
- マーケティング会社
- 事業会社
銀行員は忙しいので、転職エージェントを活用するのが必須です。
おすすめのエージェントと、使い方を以下の記事でまとめておきましたのでご覧ください。
関連記事:転職エージェントの比較
まとめ:大丈夫!あなたもきっと独立できる
「独立」というとかなり大きなことを成し遂げるように見えてしまいますが、実はそんなに難しいことではありません。
大切なのはまず第一歩を始めてみることだと思います。
もし銀行に勤めながらできる副業を知りたい!ということでしたら、下記の記事が参考になりますので、合わせてご覧くださいね。
関連記事:【抜け道】銀行員は副業できる?おすすめの副業5つも紹介
なお、ビジネス力を鍛えるなら識学総研もおすすめです。
元バンカーのECオタクです。現在は中国OEMなどで生計を立てています。一企業の経営者です。