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銀行員はパワハラに遭いやすい?その実態とパワハラから身を守る方法

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銀行員はパワハラに遭いやすい?その実態とパワハラから身を守る方法

新人行員
「銀行員にもパワハラはあるのかな?」

先輩行員
「今パワハラに悩んでいる」

本記事は、そんな方に向けた内容です。

2020年6月1日からいわゆる「パワハラ防止法」が施行されました。

パワハラは事業主、労働者双方にとって軽視されてはいけない身近な問題となっています。

しかし、ひとことで「パワハラ」といっても、指導する側とされる側では、認識に相違が生まれることがあります。

そこで、今回は銀行員のパワハラの実態と、すぐに実践できるパワハラから身を守る方法を紹介します。

銀行員にもパワハラが多いのは事実

Job総研が2022年に労働者605人に対し、ハラスメント実態調査を行った結果、全体の43.6%が、過去1年間に何かしらのハラスメントを感じたと回答しています。

そのうち、64.0%はパワハラで最も多い結果でした

つまり、27.9%がパワハラを受けたということです。

全職種を対象とした調査ではありますが、ハラスメントのうち3割程度が「パワハラ」を受けていると答えたことから、銀行員に限らずパワハラが日常的に起きていることが分かります。

参考:Job総研による『2022年ハラスメント実態調査』(株式会社ライボ)※

データが示す離職率とパワハラ

厚生労働省が集計している新規学卒者の離職状況によると、金融業・保険業では平成30年3月卒業の大卒就職者33,663人のうち、3年目までの離職者が8,143人と、就職者数の約25%が3年目までに離職したという結果になっています。

他の業種の離職率がおおよそ30%程度ということを考えると、24%という数字は実はそこまで高い割合ではありません。

とはいえ、別調査(※)から30%程度がパワハラにあっていると回答していること、過去の不祥事や「缶コーヒーを投げられた」などのニュースを勘案すると、パワハラは銀行内に蔓延っていると結論づけてよいでしょう。

参考:新規大学卒業就職者の産業別離職状況(厚生労働省)

パワハラが起こるかは上司・支店次第ではある

令和3年度の金融業・保険業全体の離職率は9.3%となっています。

離職率の最も高い宿泊業・飲食サービス業の25.6%と比べると、離職率は低く、新卒などから辞めずに行員を続けている人が多数いることが分かります。

しかし、新入社員の中には、「配属先が希望と違った」などの理由から、入社後すぐ離職する人がいます。

若手を受け入れる環境の整っていない支店や評判の悪い上司の元に配属された場合、過度なノルマを課されるといったパワハラを受ける可能性があります。

そのため、パワハラを受けるかどうかは、上司や支店によるところが大きいと言えます

参考:産業別の入職と離職(厚生労働省)、新入社員を苦しめる「配属ガチャ」発生の背景(東洋経済オンライン)

セクハラ・マタハラなどもある

パワハラと同様、よく話題になるのがセクシャルハラスメントやマタニティ・ハラスメントです。

どちらも法規制されており、例えば、業務上関係のない性的な発言や、腰や脚を触られるといった行為はセクハラにあたります。

また、妊婦だからといって不当な扱いを受けることはマタハラにあたります。

男女間に限らず、男性間や女性間でも起こります。

スリーサイズを聞かれたなどと言われた経験がある方は、そもそもパワハラではなくセクハラやマタハラを受けているという可能性を疑ってみてください。

新人行員
男のくせに我慢できないのか」もマタハラに該当します。

今更人に聞けない!パワハラとは?

パワハラの定義は法律で明確化されています。

職場におけるパワハラは、職場において行われる

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  3. 労働者の就業環境が害されるものであり

1から3までの要素を全て満たすものをいいます。

パワハラにあたるかどうかの判断は、パワハラに遭っている人の身体的・精神的な苦痛の程度を総合的に考慮し、個別処理される必要があります。

職場におけるパワハラの種類は6種類

職場におけるパワハラは、業務上の指導との境界線が分かりにくいことが問題です。

厚労省のガイドラインによって、優越的な関係を背景として個別に行われたものであることを前提に、6種類のパワハラが挙げられています。

  • 蹴る・殴るといった「身体的な攻撃」
  • 人格を否定するような言動を行う「精神的な攻撃」
  • 集団で無視をするといった「人間関係からの切り離し」
  • 到底達成できないノルマなど「過大な要求」
  • 嫌がらせのための雑用など「過小な要求」
  • 性的指向を了解を得ずに暴露するといった「個の侵害」

ガイドラインによる6種類のパワハラを、指導する側とされる側、双方がパワハラだと認識していれば、パワハラが発生しにくい環境であるといえます。

参考:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ず べき措置等についての指針(厚生労働省)

これはパワハラ?よくあるパワハラの事例

自分はパワハラだと受け取っても、相手は指導のつもりだったというように、パワハラは認識の違いによって起きやすくなります。

例えば、

  • 今まで参加していた会議から外された
  • 多大な業務量を強いられ、月80時間を超える残業が継続していた
  • 物を投げつけられたり蹴られたりした

上記のようなパワハラは、人間関係からの切り離しや過大な要求、身体的な攻撃であり、よくある事例です。

これは指導のつもりでは許されませんよね。

パワハラから自身を守る方法

パワハラから自身を守るためには、自分自身で行動することが大切です。

大事にしたくない・揉めたくない・パワハラが今以上に酷くなるかもしれないといった理由から、パワハラを受けている銀行員は「我慢する」という選択をしてしまいます。

しかし、我慢をしているだけでは現状は変わりません。

例えば以下のような行動を取ると現状を変えることができるかもしれませんよ。

  • パワハラの証拠を残す
  • 通報制度を利用する
  • 休職する
  • 転職する

パワハラの証拠を残す

パワハラを訴えないにせよ、証拠を残しておくことは大切です。証拠を残しておくのは、下記の理由からです。

  • パワハラが存在する事実を証明できる
  • 会社や労働局に相談できる
  • パワハラ相手に事実を突きつけることができる

指導を受ける場など、パワハラの相手から発言がある場ではスマートフォンなどの録音機能を使って録音する、メモを取って記録する。

その日されたことを残しておくことが大切です。

通報制度を利用する

通報制度を利用するのも、身を守る手段として正解です。

例えば...

  • 会社の内部通報制度を利用する
  • 厚生労働省の総合労働相談コーナーを利用する

内部通報制度は、今勤めている会社に制度があり、匿名で利用できる、相談を取り合ってくれるかを確認した上で利用するようにしましょう。

特に揉めたくないと思っている方は、匿名であることは必須ですよね。(※)

厚生労働省の総合労働相談コーナーは、全国に設置があり、相談無料、秘密厳守で予約は不要です。身を守るために、勇気を出して相談してみましょう。

※ただし、ご存知の通り「内部通報」は銀行員のキャリア、出世を妨げるものであるのには違いないでしょう。したがって、銀行のみでキャリアを築きたいという方は、難しい選択肢であることには間違いありません。

休職する

既に精神的・身体的不調が起きている方は、休職を検討しましょう。

パワハラによって適応障害を発症した場合など病気やケガによる休職は、医師の診断が必要です。

休職については法的な規定がないため、会社の就業規則に休職に関する規定があるか確認するとともに、会社の理解を得る必要があります。

休職中の給料については、会社の就業規則によって異なりますが、無給のケースが多いです。

しかし、会社から給与の支給がなく、業務外の病気やケガによる休職の場合、加入している健康保険から傷病手当金を受給することで、休職中の収入のサポートを受けることができます。

参考:傷病手当金 | こんな時に健保 | (全国健康保険協会 )

転職する

今すぐに職場を離れたい場合には、転職を検討しましょう。

すぐに転職することにはメリット・デメリットがあります。

<メリット>

  • パワハラから解放され、抱えていた悩みを解消できる
  • 心機一転できる
  • 場合によってはキャリアアップできる

<デメリット>

  • 環境が変わったことにストレスを感じる場合がある
  • 退職後、一定期間収入がなくなる可能性がある
  • 転職してもパワハラを受ける可能性がある
  • 引っ越し等で費用がかかることがある

デメリットで挙げたように、転職後の収入に不安があれば、失業保険を受け取れるか確認してみましょう。

失業保険は、自己都合退職であれば、受給資格として原則、辞める前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヵ月以上あり、雇用の予約や就職が内定及び決定していない失業の状態にある方のみに支給されます。

過去にあったパワハラの事例・判例

銀行員の職場状況は少しずつ改善されています。

例えば、個人に当てられていたノルマは廃止されるなどの動きが相継ぎました。

この背景にあるのは、過去のパワハラの事例・判例です。

  • スルガ銀行の事例
  • ゆうちょ銀行の判例

スルガ銀行の事例

地方銀行であるスルガ銀行では、2018年に投資用不動産向け融資で不適切な融資をしていたことが問題となりました。

この不正融資が横行した背景には、組織的にパワハラが行われていたことが、調査で分かっています。

パワハラの内容はひどく、「数字ができないならビルから飛び降りろ」と上司から叱り責められたり、数値目標を達成できなかった行員が「死んでも頑張ります」と言うと、「それなら死んでみろ」と迫られたりした暴言など複数のパワハラが浮き彫りになりました。

投資用不動産向け融資の営業活動に関わった行員343人のうち、9割近くの行員がスルガ銀行を調査した第三者委員会に対し、「ノルマが厳しいと感じたことがある」と回答しました。

銀行員に過度なノルマがあることが世間に再認識される事例となったのではないでしょうか。

ゆうちょ銀行の判例

ゆうちょ銀行では、2015年に男性行員が自殺したのはパワハラが原因であったとして、母親がゆうちょ銀行に対し、損害賠償を求めた事例があります。

パワハラにあたるとされたのは、自殺した男性行員の頻繁な書類ミスを指導した、上司の日常的な強い叱責です。

判決は、上司による叱責がパワハラにあたるか明言されなかったものの、ゆうちょ銀行に対して安全配慮義務違反を理由に賠償請求が言い渡されました。

身の危険を感じたらやめてしまおう

パワハラを感じ、辛い、悲しいと思い続けているのであれば、すぐに辞めることも検討してみましょう。感情は体よりも脆いと言われています。

特に、以下のような感情を持っている場合は注意です。

  • 死にたくなる
  • 強い苛立ち
  • パワハラ相手以外にも拒絶反応がある

鬱になる可能性もあるので、精神的・身体的不調は見逃さないようにしましょう。

やめる時は身体に不調を感じたとき

既に身体に異変が生じてしまっている場合、すぐにでも辞めた方が良いかもしれません。

頭痛やめまい、吐き気や胃痛といった身体的な不調は、身体への負担となり、疲労やストレスをもたらします。

働いていると、もう辞めたいと思う経験を数えきれないほどします。

パワハラで悩んでいることもそのうちの1つです。

パワハラの相手のせいで今後も働けない身体になってからでは遅いのです。

退職を言い出せないときは相談する相手を変えよう

辞めたいけど直属の上司からパワハラを受けていて言い出せない、こんな時は退職を願い出る相手を変えてみましょう。

  1. 直属の上司
  2. 直属の上司がダメならさらに上の上司
  3. それでもダメなら労働基準監督署へ

上記のように、重症度にわけて相談する相手を変えるのがおすすめです。

就業規則には、退職する期日には規定があっても、退職願を提出する相手に規定はありません。

直属の上司に言い出せないのであれば、さらに上の上司、労働基準監督署と相手を変えることで辞めることができます。

人間関係が破綻してしまっているなど、相談が難しいようであれば、退職代行サービスを利用する方法もあります。

よくある質問

これまではパワハラの実態やパワハラから自身を守る方法を紹介してきました。ここでは、パワハラを受けている人や身内にパワハラを受けている人が疑問に思っていることをまとめました。

・パワハラの相談を受けたら

・上司からのパワハラで悩んでいます

・転職先に公務員はありですか?

パワハラの相談を受けたら

家族や、夫・妻から職場でのパワハラを打ち明けられた際、自分に何ができるか知っておきたいですよね。

そんな時は、厚生労働省の「あかるい職場応援団」を活用してみましょう。

「あかるい職場応援団」では、ハラスメントを動画で学ぶこと、ハラスメントにあったらどうするべきか知ることができます。

ハラスメント相談窓口の案内などハラスメントで悩む方向けに不安や苦労を和らげる情報がまとめられていますよ。

上司からのパワハラで悩んでいます

前述のハラスメント実態調査(※)によると、ハラスメント加害者の質問について、「直属の上司」からのハラスメントと答えた割合は68.2%と、最多回答となっています。

約7割が上司によるハラスメントであり、この調査のハラスメントのうち3割程度が「パワハラ」を受けていると答えたことを加味すると、上司によるパワハラに悩む人は多くいるといえます。

上司からパワハラを受けて悩んでいる場合は、自身で行動し、身を守ることが大切です。

転職先に公務員はありですか?

安定を求め公務員へ転職を考える銀行員も少なくありません。

公務員に転職するメリット・デメリットは以下の通りです。

▼公務員の場合

メリット デメリット
・ノルマがきつくない

・有給や育児休業の休暇が取得しやすい

・給料が銀行員に比べ少ない

・事務作業など仕事内容が単調

公務員を転職先に選んでも、パワハラが起こりうるのが現実です。

有給の取得のしやすさなどから、ライフワークバランスを大切にしたい人、銀行の風土が合わない人には公務員が向いていると言えるでしょう。

参考:地方公務員(行政事務)(厚生労働省)、令和2年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要令和3年度地方公務員給与実態調査結果等の概要(総務省)

 

まとめ:パワハラから身を守れるのは自分だけ

パワハラを会社に相談しても、パワハラに対する防止策が不十分であれば辛い思いが継続する可能性があります。

現状を変える手段としていくつか選択肢を紹介しました。パワハラの証拠を残すことも、転職することも、心身を休めることも、すべて我慢以外の選択肢です。

銀行員がパワハラに遭うことは今でもあります。パワハラによって今後の人生も壊されてしまうのは耐えられませんよね。

自分から行動し、今の環境を変えることが大切です。

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