教養

世界を歪ませるドラマティカル思考 〜「Fact Fulness」を考察する〜

  1. HOME >
  2. 教養 >

世界を歪ませるドラマティカル思考 〜「Fact Fulness」を考察する〜

「Fact Fulness」という本だ。 ちなみに本書が僕らにとって読む価値のある本か否かは本書初めの13問のクイズで決まる。 1つだけ引用させてもらうと、以下のような問題だ。

世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう? A.20%  B.50% C.80% 『Fact Fulness』 ハンス・ロスリング
ネタバレになってしまうので正解は最後に載せるが、事実、僕はこの問題を間違えた。 ちなみにこれらの13問に一生懸命思考して答えると、正答率は33%を切る。即ち当てずっぽうで答えた確率を下回るらしい。 本書を読めば、なぜ僕らは33%の確率を下回る正答率を出してしまうのかがわかる。 だから本書を買うか迷ったら、最初の問題だけでも立ち読みしてみるといい。 [toc]

「Fact Fulness」とは?

「国境なき医師団」、僕らは一度は耳にした事があるのではないだろうか。 実は本書の著者ハンス・ロスリングは「国境なき医師団」の設立者でもある。 医師としても有名だった彼が晩年に書いたのが本書だ。 著者が主張するのは、僕らは意外と世界のことについて何も知らないということだ。 むしろ知らないというよりも誤解していると言った方が正しいのかもしれない。 何故そんな誤解が起きてしまうのか。 この誤解の仕組みを解明し、同じ轍を踏むことがないようにFactで僕らを満たしてくれるのが本書だ。 本書の中でのkey wordは「ドラマティカル」な思考だ。 僕らは気づかないうちにドラマティカルな何かを求めている。 日常の中でそうしたことを求めすぎてないか、僕らは気をつけなければいけない。  

感想/考察

・僕らは考えずにただ感じているだけなのかもしれない ・二項対立で考える危うさ ・上から下を見ても何もわからない
 

僕らは考えずにただ感じているだけなのかもしれない

本書を読むと、いかに僕らが考えていないのかよくわかると思う。 例えば電車の広告にACジャパンのこんな広告が昔あったのをよく覚えている。 「この問題は、本当に問題です」という広告だ。(リンクは未来メディア) 内容としては、計算をしていくとサラさんの勉強時間はゼロになってしまうというもので、皆さんも一度は見たことがあるのではないだろうか。 もちろんこの問題は深刻だ。 広告を見て僕らにもやれることがあるんじゃないかと立ち上がるのはもちろん正しい。 しかし僕らは、もうかつてのイメージにあった後進国なんてほとんど無いという事実を知らない。 後進国はまだまだ遅れていると想像してしまう。これこそが「ドラマティカル」の罠だ。 悲観的なシーンが先行し、事実を歪めて物事を見てしまう。これこそが著者が指摘している点だ。 ハンス・ロスリングが立ち上げたgapminderのウェブサイトではこうした僕らの過激的な見方に対してFactを提示してくれる。 いま世の中はSDGsに盛だ。 ただ実際に僕らは世の中のことをどれらい知っているのだろう? 環境のことは何も知らず、貧困と言われている国がどれほどあるかなんて知らずに、ただ企業理念として掲げている企業って実は多いんじゃ無いだろうか。
「教養なきものは奴隷になる」 『多動力』 堀江貴文
ただ「SDGs」という言葉に先行され、事実すらも知らない馬鹿にならないよう、僕らは気をつけなきゃいけない。  

二項対立で考える危うさ

本書では二項対立でものを考えることの危うさも教えてくれる。 例えば、先進国と後進国という言葉を使った時、実はその2つの中間に入る国(中間国)の方が多いというのを本書では指摘している。 僕らはついつい「何か」を二項対立で説明したがる。 その方が分かりやすく聞こえるし、「ドラマティカル」で面白いからだ。 しかし皮肉なことに、二項対立の分断は物事をややこしくすると本書では教えてくれる。 ではビジネスはどうだろう。 僕が思うに、寧ろこれからは「分布」の時代だろう。少なくとも二項対立で考える分断の違いでは無い。 モノとモノとがつながっていくIOTの世界では、点と点とを結び合わせていくことが可能になる。 「インターネットとテレビは違うよ」なんて時代では無いのだ。 大事なことは、物事をすぐに2つに分けようとせずに、位置関係で把握することだ。 本書でも説明されているように、「悪いけどよくなってきている」という言葉は成立するのだから。  

上から下を見ても何もわからない

少し内容とは外れるが、本書を読んでいて素敵な言葉があったので紹介したい。
「高層ビルの上から見下ろすと、低い建物の高さの違いが分かりにくい」 『Fact Fulness』 ハンス・ロスリング
僕らが何か物事に一生懸命になって取り組む時に、必ず一人や二人茶々を入れてくる大人であれ上司であれ。。がいる。 例えば僕であれば、読書をし、考え方を歩変えていくことが起業家になるための一つの道だと信じている。 でもそれをよしとしない成功者は必ずいるはずだ。 でも、そんなのは気にしなくていい。 もし僕らが何かに取り組み、自分で少しでも変わったなと実感できたのであればまずは大成功だ。 上にいるやつには僕らの背が少し高くなったところで変わったように見えない。 一番大切なことは、自分がどう実感できたかだと思う。 このことを決して忘れずに、努力を積み重ねるのがいい。  

どのように実践できるか

僕らはついついドラマティカルな話に心を動かされる。 例えば、どん底から這い上がって成功しましたという話だったり、高校中退で1000万稼いでますなんて話だったり。 ついつい面白くて見てしまう。もちろんそれはそれでいい。 ただ、その話にホイホイついていってはいけない。 だからこそ僕はこうして本当にただの凡人が成功することを夢見て努力するブログを書いている。 現実を直視して、何が正しいのかを自分で判断する。 情報が多く、嘘も数多く蔓延る世界だからこそ、自分に合った方法、情報を見つけることが大切だ。  

まとめ

『Fact Fulness』が名作と言われる理由の一つは、僕らの無意識に踏み込んだ作品だからだ。 繰り返しにはなるが、まずは立ち読みでもいいから、本書先頭についている13問の問題を解いてみる。 もし間違えていたら、ぜひ本書を読んで欲しい。 ちなみにブログの初めに出した正解は「C」だ。 皆さんは合っていただろうか? [itemlink post_id="292"] (2662字)3h07min26sec/当記事を書き上げるのにかかった時間]]>

-教養,

Copyright© Banker's.Hack , 2021 All Rights Reserved.